OPEN SESAME!
オートモービル・プジョーの商品企画チームは常にトレンドの変化を意識して商品動向を分析し、そこから毎回プジョーらしい斬新なテーマを導き出します。そして、これらのテーマはCEOの承認後デザイナーやエンジニアによって詳細に検討され、実体を与えられることになります。
これらのプロセスは2002年のパリ・モーターショーでプジョーから発表されたコンセプトカー「セサミ」についても例外ではありません。セサミは、コンパクトカーの購入検討ユーザーがまさに欲しているであろうすべての要素を満たしたクルマです。言い換えればコンパクトカーに必要とされる、実用性と遊びの要素の両方を兼ね備えたクルマといえるでしょう。
全長約3.70メートルのセサミは、サイズとしてはBセグメントに属すクルマです。このクルマの用途はとても広く、街乗りにも、高速道路でのドライブにも適しています。機能の点でいえば、注目はなんといっても電動両側スライドドアでしょう。クルマの構造そのものもこのドアを中心に組み立てられています。また車内に目を向ければ、レイアウト自在のモジュラー・シートも自慢のひとつです。
外観上ではボンネットが非常に短く、またルーフからフロントガラスまでのガラス部分が大きな面積を占めているのが最初に目につく点です。またルーフの端に2本の金属のルーフレールがあるのがアクセントになっています。 ダイナミックなフロント部分を特徴とするそのデザインですが、モールディングで仕上げたラジエーター・グリルや、その下のプジョー独特の三日月型のエアインテークなど、いままでのプジョー車に共通するデザインなので、市販車のモデル・ラインナップにもすんなりと溶け込みます。
これまでのプジョーの市販車と比べると、フロントガラスの先端は車軸の中心あたりの位置で若干前寄りに、逆にドアの柱は若干後ろ寄りになっています。またフロントガラスの周りも窓がより大きく見えるように黒でペインティングされているので、ボンネットが前にせり出して短めになっている印象を与えています。 これはエンジンブロックをカモフラージュし、「スモール・ハッチバック」型のクルマという印象を与える効果をねらってのことです。
クルマ全体のシルエットでいえば、横から見ると流線型を描くフロントガラスの柱が、サイドセクションへとつながり、リアセクションのサイドパネルまでひとつながりで続いています。このラインが、リアウィングとの組み合わせにより、緩やかなアーチを完成させる矢印の先のような形を作っているのが分かります。
直径17インチのスポークを持つホイールは軽合金製、前輪と後輪のホイールアーチをつなぐ直線の部分は、最近のプジョーの市販車のほとんどが採用しているのと同様、一種の「ステップ」のような造型です。そしてセサミの「遊び」と「くつろぎ」の要素をさらに強調するかのようにシンプルなスペアホイールがリアパネルの中央部分にデザインされ、全体のアクセントとなっています。
両側の電動スライドドアはクルマの全長の3分の1近くの長さを占め、人間工学に基づいた形状の両側のドアハンドルおよびハンドルを保護するための大きな金属製のパネルとともに、機能同様、外観上でもこのクルマの個性を際立たせています。 両方のスライドドアの動きはリアウィングに取り付けられたパッドが支援するようになっており、外からも見えるレールの上をスライドします。 このレールは、矢の先端部分に合流し、そのままぐるりとクルマのリア部分を巡って、ヨコからクルマを見たときにスペアホイール・カバーの位置で止まるような設計になっています。
リアセクション・エンドの部分では、このレールによってリアウィンドウとつながっているサイドウィンドウによって構成される上部とボディ下部とが分離されています。これによって、リアのライト部分には独特な形状が生まれています。 車体色はシンプルで明るいイエローで、イエローとダークブルーのインテリアともマッチしています。ドアミラーとドアを開閉するコントロール部分はイエローとクロームのコンビカラーです。
動力性能的には、出力80kw(約110bhp)の1.6リッター・エンジンを搭載可能で、このエンジンが電気制御可能なマニュアル・ギアボックスに接続しています。サスペンションとホイール部分には、パワーステアリング、マクファーソン式の前軸と分離型のアンチロール・バー、準可変式クロスメンバー、そして4つのディスクブレーキが装備されています。 |