クルマの照明装置は、クルマの発展の歴史とともに、めざましい技術革新を遂げてきた。現在では、暗い道を照らし、安全運転をサポートする機能部品の役割だけでなく、そのデザインを通してクルマの個性を印象づける重要な役目も果たしている。では、クルマの照明装置は、どのように発達してきたのであろうか。ろうそくに始まり、キセノンランプに至る、この100年以上の歩みを振り返ってみよう。
最初の照明装置は、自車位置を知らせる「ろうそく」だった
はじめてクルマに搭載された照明装置は、4輪馬車に搭載されていたものと同じ、キャンドルランプ(ろうそく)だった。その明るさは夜道を照らすにはほど遠いもので、役割はクルマの存在を周囲に知らせるためだけのものだった。クルマの照明装置に訪れた最初の技術革新は、灯油ランプの採用である。灯油ランプはろうそくよりも明るく、また長時間灯し続けることを可能とした。
さらに19世紀末には石油ランプが登場。石油ランプは灯油ランプよりもクリーンで、ススでウインドーが黒く汚れることも少ないというメリットがあった。ただ、石油ランプをしても、その明るさは夜道を照らすには十分ではなかった。クルマの照明装置が自車位置を知らせるものから自車の行く手を明るく照らすものへと変化するきっかけになったのは、1895年の炭化カルシウムの登場である。1905年には、炭化カルシウムの誘導体であるアセチレンが、ろうそくや灯油ランプ、石油ランプに代わり、クルマの照明装置の主役の座についた。
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