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WRCマシンをサポートする、コミュニケーション・テクノロジー
やろうと思えば、会話させることだってできる
現代のWRCシーンの特徴のひとつとして、無線や携帯電話、車載コンピューターで、クルマ、ドライバー、テクニカルスタッフがハイレベルのコミュニケーションをとっていることが挙げられる。ほとんど会話するに等しいコミュニケーション能力を身につけたWRCマシンの姿を、プジョー206WRCを例に紹介しよう。
「その気になれば、206WRCに言葉をしゃべらせることだって可能だよ」
プジョー・スポールで“ミスター・エレクトロニック”と呼ばれるジャン=マルク・シュミットは、笑いながら語る。
「だけど、WRCのコースやその周辺では騒音でうるさいから、もしマシンが言葉を発しても聞こえなくて、あんまり意味がないと思う。それより、もっといい方法があるからね」
それは、FIA(国際自動車連盟)やWRCをプロモートするISC(International Sportsworld Communicators Limited)が直接管理する、競技に参加しているクルマの位置をリアルタイムで監視するシステムだ。シュミットは続ける。
「そのシステムは、GPS*1を備えた、重さ9.5kgの車載装置で、各ラリーごとに、あらかじめコースがインプットされ、競技車両に搭載される。上空には位置情報を受信する中継機が飛んでいて、受信した情報を各チームのPCに送信してくれる。チームのスタッフは、モーターホームで待機したままで、マシンがコースを移動したり、トラブルで停止したりする状況をチェックできる。30秒以上同じ場所に止まった場合には、自動的にアラームが鳴り、すぐにサポート部隊を派遣できる仕組みだ」
実用性だけでなく、エンタテインメントにも貢献
この装置には、GPSだけでなく、高度なタイム測定機能も搭載されている。これはマシンのスペシャルステージでの瞬間スピードや中間タイム、ステージごとの順位、総合順位などの情報を送信してくれる。チームの監督は、こうしたリアルタイムの情報をもとに、可能な限り最高の戦略を考え、テクニカルスタッフは次のサポートのタイミングと内容を判断し、準備を整えることができる。
車載測定システム
GPSと車載電話だけでなく、206WRCは主要部品すべてにセンサーを装着、その情報はサービスの際にスタッフが回収する
また、この装置は車載カメラが撮影した映像の中継機能も備えている。この画期的な新機能は、2003年シーズンのラリー・オブ・グレートブリテンで初めてテレビの生放送に採用された。さらに、マシンの正確な位置とスピードをもとに、それぞれのマシンがどのような走りをしたのか、CG画像の上で重ね合わせて表現することも可能にして、テレビでWRCを観戦するファンがより楽しめるようにもなっているのだ。  >>次ページ
マネジメントシステムが蓄積した情報を、高速通信により転送
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