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Peugeot Technical Tips
Peugeot Technical Tipsでは、プジョーにまつわるテクニカル情報をお伝えします。
これまでも、そしてこれからも。進化を続ける自動車用シート
シートの開発者が、未来を語る
クルマのパーツの多くは、自動車メーカーと部品メーカーとの協力で設計、開発、生産が行われる。シートもその例外ではない。プジョーではフランスの大手部品メーカー、フォルシア社と協力、より優れたシートの実現に力を注いでいる。そのフォルシア社のシート開発マネージャー、ガストン・ジャック氏にインタビューする機会に恵まれたので、最後にその内容を紹介しよう。
−− ガストン・ジャックさんはシートのエキスパートですが、今日のシートは昔のシートに比べ、どのように性能がアップしたのでしょうか?
「まず第一に挙げられるのが、快適性の向上です。20世紀前半には、クルマのシートは単にボディに付いたベンチでした。快適という言葉とは、ほど遠かったのです。その時代は、それでよかったのでしょう。しかし現代は、クルマのシートには快適性、そしてそれに付随するさまざまな性能が求められています。クルマに乗っている間は、カーブを曲がったり、加速したり、路面のデコボコを感じたりと、さまざまな不安定要因がありますからね」
−− そうですね。確かに、快適性は重要ですね。では、その快適性を実現するために、どのような工夫をされているのですか?
「固定式のシートに最初に訪れた変革は、前後へのスライド機構でした。それから、リクライニング、フルフラット、そしてC5やC8、807で採用されているフォールディング*4、さらには床下に収納する格納機構までも備えるようになりました。現代のクルマでは、たとえ小型車にもこうした最新のシート技術が採用されており、その操作も非常に簡単になっています。また、そうした技術革新はシートの素材にも及んでいます。アルミやマグネシウム、プラスチック樹脂をつかって軽量化しているのです。さらにシート素材にも改良が加えられています。206SWや306に使われているシート生地は、3Dの立体的な織り方が特徴で、視覚的にも軽快感を感じさせてくれるのです」
−− では、シートに採用されている、最も新しい革新的技術は何ですか?
「マッサージ機構ですね。シートのバックレストの下で小さなボールが上下に動き、背中のコリや痛みを和らげてくれます。長距離ドライブでも、背中の痛みを感じずに済むんですよ。もうひとつ挙げるとすると、“ハイポビジランス”という機能です。そもそも、ドライバーが感じる疲労は、背中や腰の同じ場所がシートに触れ続けるために起こるものです。この技術を使えば、運転に不可欠なペダルやハンドルとの相対的な位置関係を崩すことなく、シートポジションをアレンジすることができます。一方、「イルミネーテッド・シート」というのもあります。これは、ドアを開けたときにシート表面が光り、シートの調節を楽にしてくれるというものです。また、乗員がバックレストに触れて、光らせることもできます」
−− シートに長時間座ることで、背中や腰が汗ばんだりすることがありますが、そうした熱のコントロールについては、いかがですか?
「現在のエアコン内蔵シートは、暖めたり、換気したり、冷やしたりすることができます。その機能は、乗員が座る表面だけでなく、シートの裏側でも働いています。クッションの発泡材の下やバックレスト内部にはファンが内蔵され、空気を循環させるのです。こうした機構も含め、シートの構造はますます複雑になってきましたが、その努力を反映して、快適性はいっそう向上しているのです。そして今後も優れたシートを目指した開発は続いていくことでしょう」
[シートのカギを握る、フォルシア社]
フォルシア社は世界27カ国に160以上の生産拠点と、6万人の従業員を擁している。彼らはシート、コクピット、ドア、車内防音のためのパーツ、バンパーモジュール、エグゾーストシステムという6つのモジュールを手がけている。ヨーロッパでは2番目に大きなパーツメーカーであり、世界的に見てもそれぞれの分野でトップ3に入るシェアを誇っている。
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*4 フォールディング
シートの背もたれが倒れるだけでなく、シート全体が畳み込まれるように収納される機構。
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