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スモールカーの歴史とその魅力
スモールカーは、大型車と同じくらいよくできている
スモールカーというのは、もともと大きなクルマをデザインする際のアイデアづくりのためにつくられてきたものです。そして、各メーカーはさまざまな試みをスモールカーの設計にとりいれてきたのです。
現在ではフィアットのように、スモールカーの設計に特化したメーカーもありますが、スモールカーの黎明期は、「アイデアづくり」というその位置付けもあり、順風満帆とは言い難いものでした。
1886年、カール・ベンツによって製造された「モータートライクル」(長さ2.73m、車重265kg、0.75馬力の単気筒エンジン搭載で、最高速18km/h)から、ハノマグの手による1924年製「コミンブロット」まで、スモールカーは写真に収められることすらなかったのです。こうした不遇の時代は、1920年代の後半まで続くことになります。
1929年の世界恐慌がターニングポイントに
ところが1929年の世界恐慌が、スモールカーの立場を変えます。この恐慌は、スモールカーにとって大きな飛躍をもたらす転機だったのです。イギリス、イタリア、ドイツ、そしてやや遅れてフランスのメーカーが、スモールカーこそ企業の命運を左右する存在だと気づきました。そして彼らは競ってスモールカーの開発、販売に精力を注ぐようになります。このとき本当の意味での「スモールカー」という概念が誕生したのです。
1930年代に入ると、自動車の歴史に名を残すモデルが登場するようになります。フィアットチッポリーニ、プジョー202、ルノーユヴァクアトル……。フェルディナンド・ポルシェ博士がフォルクスワーゲンを生み出したのも、この頃でした。
しかし、スモールカーが「手頃な価格で実用的なクルマが欲しい」という消費者の手に届く存在となり、市場が成長するのは、第2次世界大戦後でした。1950年代には大量生産のための技術が確立され、簡略化された行程で低コストのスモールカーが生産できるようになったのです。デザイナーはボディを自由にデザインできるようになり、スモールカーの成功は約束されたも同然となりました。  >>次ページ
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