 |
プジョー607のボディ/インテリアのカラーコーディネイト選択サービスの名称にも使われた “オートクチュール”*1という言葉。実はこの言葉には、フランスの、特にファッションの世界での"モノづくり"の精神が深く刻みこまれています。 今回はその“オートクチュール”の世界でも伝統ある"ルサージュ刺繍工房"をクローズアップしてみましょう。 |
| 知名度こそ高くはありませんが、ルサージュはオートクチュール界で最大の刺繍工房です。そして、その刺繍作品はオートクチュールのあらゆるショーを飾り、150年以上にわたって有名クチュリエから高い評価を受け続けています。 |
 |
ルサージュはあらゆる有名クチュリエ*2の協力者でありながら、顧客の作品の引き立て役に徹しています。しかし、名だたるデザイナーたちはショーの前になると、4万点以上あるルサージュのサンプルの中から彼らのインスピレーションを刺激する“何か”を得ようとやってくるのです。 ルサージュのサンプルは、スキャバレリ、ヴィオネ、クリスチャン・ディオール、バルマン、ファット、ジバンシー、イヴ・サンローラン、バレンシアガなど、クチュリエ別にラベリングされた箱のなかに、分類されています。そしてその箱の中身は、クチュリエの名前よりもはるかに印象的です。さまざまな色、素材、技術、そして土台布の数々は、ほかに類を見ません。一見なんの変哲もない箱の中に、1858年以降、メゾン・ミショネ、ついでルサージュによってつくられたすべてのサンプルが詰まっているのです。その多様性と豊かな発想には、ファッションに詳しくない人でも感心させられるに違いありません。 >>次ページ
|
|
 |
| *1 オートクチュール |
| 既製服に対応する仕立て服(オーダーメード)が"オートクチュール"。"オート"はフランス語で"高級な"、"クチュール"も同じくフランス語で"仕立て、縫製"を意味し、単語を並べ訳すと"高級仕立て服"となる。 |
| *2 クチュリエ |
| 高級仕立て服"オートクチュール"を専門に縫製、販売する工房のこと。 |
|