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時代を映す広告ポスターの歴史
自動車メーカーの歴史とクルマのデザインの進化は、広告にも反映されている。最初の広告は、新聞のイラストやポスターの形をとった。中でもポスターは知名度も才能もある芸術家によって描かれることが多く、広告の枠を超えた「作品」とも言うべきレベルのものが多かった。ここではそのうちのいくつかをご紹介しよう。
1894年、プジョーは世界初の自動車レースであるパリ−ルーアン間のレースで優勝した。そして、これを機に、この勝利をどのように販売につなげるかといった点に関心が向けられるようになった。当時、小売業者やメーカーは自分達の事業を宣伝し消費者の関心を引くために、ポスターを利用した。クルマはまだ新しい交通手段としての地位を確立していなかったので、宣伝していくことが必要だった。そこで、この目的を果たすため、ポスターというスタイリッシュで体裁のよいポスターという媒体が用いられたのである。そして長年にわたり、タマーニョ、カピエロ、ルーポ、コリン、サヴィニャックなど多くの才能あるポスター作家や、マグリットやデ・キリコといった世界的に有名な画家までもが、クルマのポスターを手掛けてきた。
プジョーのポスター100年史
プジョーは創業の頃から宣伝にポスターを使用してきた。アルマン・プジョーはオートモビル・プジョー社を設立したとき、才能あるポスター作家であるブルギルを迎え入れ、新会社のプロモーションを行った。そのイラストレーションは、しっかり厚着したカップルがクルマを運転しており、その背後から立ち上がる煙が「プジョー」という文字の形になっているというデザインだった。1909年には、広告の焦点は会社の工業的な強さをアピールすることへと移っていった。タマーニョは、プジョーの社員が乗ったたくさんのクルマ、自転車、オートバイが、巨大な工場から出ていく様子を描いた。その前景には画面の大きなスペースを占めるライオンが咆哮する姿が描かれていた。
プジョーは1920年代にも自動車レースでいくつか優勝を飾る。ルネ・ヴィンセントは、デフォルメされたパースを使ってクルマのスピードを強く印象付けた。1925年には、カピエロが大胆な色使いでジャングルの王と並んだ新しいプジョーのオープン・ツアラーを、実に印象的に描いた。クルマから飛び出して来たライオンが中空で静止しているという図柄だった。ポール・コリンの「accélération」のポスターも傑作である。2台の601が走り抜けた後の木が折れ曲がっていて、クルマの力強さを表現している。
この1世紀を通じて広告は大きな進化を遂げ、様々な媒体や手法が用いられるようになった。しかし、プジョーのマーケティング戦略に占めるポスターの存在は依然として小さくない。  >>次ページ
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