「実際の交通事故を再現するテスト」
- PSAプジョー・シトロエン パッシブ・セーフティおよび修復可能性部門主任、リシャール・ゼイトーニ
20年に渡って航空機の墜落テストや列車の衝突試験に立会い、2003年からは自動車の衝突試験も見るようになったリシャール・ゼイトーニ氏は、安全のエキスパートである。下記は衝突試験の技術者との会話である。
――自動車メーカーが衝突試験をするようになったのは、いつ頃のことですか?
1950年代にメーカーは、安全性の重要さに目覚め、衝突試験を始めました。20世紀末に衝突試験はいっそう重要なものとなり、今では非常に高度なテストを行えるようになっています。
――PSAプジョー・シトロエンの衝突試験に何か特別な点は?
規制やユーロNCAPが求めているものよりはるかに過酷な状況を設定してテストをしています。状況設定については、PSAプジョー・シトロエンの車両が関わった事故だけでなく、1969年にルノーと共同で設立した「事故学、生態機械、および人間行動」研究所に勤務している事故の専門家からのアドバイスも参考にして決めています。
――コンピュータ上での衝突試験の役割は?
わたしたちにとってコンピュータによる衝突試験はその重要性を増しており、現在では物理的な衝突試験の準備段階として欠かせないものになっています。この10年で情報処理技術は大きく進歩しました。おかげで、1回のプロジェクトにおける試作品を使った衝突試験の回数は、以前は40回だったものが、今ではわずか10回です。
プロジェクトの初期には、異なるサブシステム間の相互作用や異なる素材の動きについて、モデリング技法を使った分析を行なっています。乗員の動きを分析するために、デジタルダミーを使うこともあります。
――今後の展望は?
交通安全には中核となる要素が3つあります。自動車、ドライバー、社会基盤です。エアバッグや拘束装置、衝撃吸収ボディ構造などは、衝突時に解放されるエネルギーを吸収してくれるので、今の車は過去のものよりも安全になっています。また、クルーズコントロールや速度リミッターに加えて、車線逸脱警告システムのような事故回避システムも存在します。PSAプジョー・シトロエンでは、衝突時の歩行者保護性能向上に効果を発揮するシトロエンC6のアクティブボンネット・システムのような革新的な安全装置の開発を続けています。
現在関心を抱いているのは、高速道路のインフラ、そして何よりも運転中のドライバーの行動です。これを「統合的な安全性」と呼んでいます。
衝突試験の速度
64 km/時
:
正面衝突試験時の車両速度
29 km/時
:
直径25cmの柱への側面衝突試験時の車両速度
50 km/時
:
変形する衝角を側面衝突試験において車両の側面に激突させる際の速度
40 km/時
:
歩行者と車両による衝突試験の際の車両速度
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