「他人の目を通して自分を見る」ということ
さて、こうしてスタートした稲田さんのブログだが、稲田さんはブログの更新を重ねることによって、自分と他人とのかかわりについて、強く意識するようになったという。
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「ブログって、双方向のメディアですから。自分のエントリに対して賛同するコメントだけではなく、別の見方を教えてくれるコメントも付く。発言に責任を持つことの重要性とともに、世の中には多種多様な価値観があるということをわかりやすく示してくれるんですよね。また、そうしたコメントを読むことで、他人の目に私がどう映っているのかというのが明らかになります。さらにひとつひとつの事柄を手がかりに情報と物の考え方が集積していき、ブログ自体が知の共有体になっていくっていうか……。私はそのブログの発信者ですが、そうやって読者とのやりとりが進むことでブログの中身は濃くなっていくので、オーナー然としてふるまうのではなく、“読者の期待に応える主催者”という立場が重要になってきている。そんな気がします」
そうした考えから、稲田さんは現在、“自分が体験したことを客観的に伝える”ということを基本にブログを更新するようになった。
「ブログの中身は、旅コンテンツもありますが、基本的には私と307がどうかかわっているかを披露するものです。たぶんその“かかわり方”を見て、読者の方は私の人となりを判断するんでしょうし、それが次の段階では読者と私自身の付き合い方に発展していくと思います。つまり307やブログそのものは、人と人との付き合いを仲立ちするメディアだということです。自分のブログなのに客観的な立場で更新するのは窮屈じゃないかというご意見もあるとは思いますが、私はそれが自分の成長につながるし、より多くの知人、友人をつくるという財産にもなりますから、苦しいとは思いませんね」
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インタビューに答えてくれる言葉の数々には、307と出会った “幸せ感”があふれていた。単なる「偶然」が、ここまで人を幸せにする……。いや、ひょっとしたら、稲田さんと307との出会いは「偶然」ではなく、もっともっと大きな力が作用した「必然の帰結」なのかもしれない。そう思わせるほど、稲田さんの笑顔は充足感でみちあふれていた。
エピソード
クルマの旅だけでなく、鉄道+レンタカーでの旅も「プジョー307流浪人・inakichiの旅人日記」の特徴。稲田さんによると、クルマを使うか列車を使うかの選択は、その休暇の日数や移動距離を考え、「どちらが自分の見たい、知りたいものに効率よくアプローチできるか」という“費用対効果”を追求した結果だという。
全国を渡り歩いていると、ときにとんでもない移動を強いられることもあると稲田さん。「いままで最長は、1日1200kmの走行をこなしたことです。またイベントとオフ会が同じ日に重なったため、東京から浜松まで自走して昼間のイベントに参加、夜はそのまま東京を通り過ぎて宇都宮まで行ってオフ会、その後帰宅なんてのもありました(笑)」
稲田さんのお気に入りのドライブコースは、岐阜県の飛騨地方。「私なりのドライブの目的として、食べ物、温泉、景色、そして美味しい水という4要素は外せないと思っています。遠いんですが、飛騨までの車窓は高い山から田園風景、川のせせらぎまで実に変化に富んでいて飽きません。水は北アルプス山系が水源だからおいしいし、露天風呂で知られる奥飛騨温泉郷もある。高山市は古くからの街で料理がおいしい上に郷愁をかきたてる景観が素晴らしく、本当に飛騨地方はいつ訪れても感銘を受けますね。」
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