PEUGEOT e-LEGEND CONCEPTは、自動車産業における最先端のテクノロジーとプジョーの伝統と結びつけることによって、ブランドのDNAを体現しさらに強化しています。
先進技術を凝縮すると魅力的な外観の車になる、ということをプジョーは実証しています。電動化や自動運転など変革をもたらすコンセプトカーの形状をクーペシルエットとしたのは、この車にモダンなキャラクターを持たせることはもちろん、現実的で実用的なサイズとすることでドライビングエクスペリエンスを向上できるからです。新しい電動プラットフォームの登場は、レシプロエンジンの技術的制約を取り除き、設計者に多くの可能性をもたらします。
PEUGEOT e-LEGEND CONCEPTはデザインには、ブランドのヘリテージが取り入れられています。それは今から50年前の1968年にデビューし美しいスタイルが評価された、プジョー504 クーぺのスタイルを解釈し直すということです。504 クーペは、滑らかなラインでスポーティー、かつ硬派で官能的なシルエットと、大きなウィンドウエリア、後方に向かって下がっていくキャビンが特徴でした。
PEUGEOT e-LEGEND CONCEPTのフロントマスクは、3本の鉤爪のようなヘッドライトが504 クーペを連想させるかたちで配置されており、車に独特の表情を与えています。黒いアルミの線が分断するフロントグリルの形状も、504 クーペのステンレススチール製バンパーを意識したものです。ヘッドライトの下には各種運転支援機能が収められているほか、バンパー下部のウィング形状が空力性能を高めています。
リア側にもプジョーの象徴的な3本の鉤爪を配置し、 各ランプには精密な処理が施されています。リアウィンドウにはマルチリフレクターが装着され、ハイマウントストップランプはリアウィンドウの上端横いっぱいに配置されています。
サイドはプラットフォーム、ボディ、ウィンドウエリアの3つのレイヤーで構成されており、504 クーペのボディとウィンドウの比率を参考にしてウィンドウエリアが広めに取られています。この広々としたガラス面によって、キャビンには十分な光が差し込みます。ホイールアーチは、空間を生かして内向きに広がり、フロント側にはエアダクトが設けられています。またサイドウィンドウを縁取り、カットガラスをはめ込んだリアウィンドウを引き立たせるメタル製のアーチによって、全体のデザインに統一感が生まれています。後部の三角窓の下から室内を覗くと、スクリーンには、各乗員へ個別のウェルカムメッセージと、出発前の充電レベルが表示されます。また、車外の人に対しては、車が自動運転モードで作動中であることが警告されます。タッチ式のドアオープニングスイッチは、サイドウィンドウの中に巧みに隠されています。
ボディの表面は非常に滑らかで、シャンパンカラーの混じったグレーで仕上げられています。車外の明るさに応じて、研磨されたブロンズメタルの表面に周囲の様子が映り、クロームの色が変化します。
足回りは、走行性能と信頼性を重視して選択された、19インチアロイホイールと量産サイズのMICHELIN®タイヤの組み合わせを採用しています。
明るくかつ上品な室内空間を作るため、デザイナーたちは温かみのある素材を選び、冷たいデジタルディスプレイとのバランスを取るように心掛けました。
シート表皮にはベルベットを採用。選ばれたのは、その上質さ故ですが、最新の織物技術を駆使し、滑らかで手触りの良いシルクベルベットを巧みに織り合わせることによって、成形加工のバリエーションが広がっていることも理由のひとつです。PEUGEOT e-LEGEND CONCEPTのために特別に、デジタル技術を使用してベルベットの色を思わせる光沢のある糸から織り上げられています。この素材は、PEUGEOT 3008と 5008にも使われています。
インストゥルメントパネルやドアトリムの一部には、HERVET MANUFACTURIER®のパルダオ材が用いられています。再生林から調達されたこのエキゾチックな木材は、ローズウッドや黒檀から作られていた1960年代の家具を彷彿とさせ、黒い木目がシートとフロアカーペットのターコイズブルーを引き立たせます。現代的なこの木材は、PEUGEOT 3008、5008、508のGT(欧州仕様)のダッシュボードを想い起こさせます。